近世初期に定着をみた作陶表現の流れをたどりながら、萩陶芸の造形的特質をわかりやすく紹介します。収蔵作品を中心に、近代における「萩焼」イメージの主調をなす茶陶の制作をはじめ、江戸期の置物から現代の大型オブジェに到るまでの作陶400年の伝統を一望する展示です。
朝鮮半島から招来された製陶技術をもとにして、そのときどきの新たな造形モードを取り込みつつ、風土に根ざした独自の美感を加えて展開されてきた、この地域の作陶意識の新陳代謝を顧みる旅でもあります。
萩陶芸の歴史に脈々と受け継がれる、先端的表現へと挑むアヴァンギャルドの造形思考を感じていただけることでしょう。