佐伯祐三は、1898年(明治31年)4月28日、大阪府西成郡中津村に生まれました。天正時代から続く名刹光徳寺の、住職佐伯祐哲・タキ夫妻の次男として誕生してから、今年で110年を迎えます。同時に、佐伯祐三がパリで短い生涯を閉じてから80年の節目でもあります。
この記念すべき年に、日本近代絵画史に傑出した存在である画家佐伯祐三の偉業を称え、同時に、その作品群が近代絵画史に、今日どのように位置づけられるかをあらためて検証するため、この展覧会を企画しました。
佐伯祐三の作品には、絵画に「純粋」を探し求める求道者のような、精神の極度の緊張と高揚が刻印されています。この展覧会では、こうした佐伯祐三の短くあっても純度の高い芸術を、大阪市立近代美術館建設準備室の特別協力をはじめ、国内の各美術館、個人所蔵家の方々などからのご協力を得て、代表作約90点により構成し、ご覧いただきます。
この機会に、ぜひ佐伯祐三の珠玉の作品を、じっくりとご鑑賞ください。