2階展示室で開催中の常設展示「文学に描かれた世田谷 100年の物語」では、「植草甚一 マイ・フェイヴァリット・シングス」展開催にあわせて、当館の誇る探偵小説資料をもとに戦後の探偵小説復興を特集でご紹介しています。
戦後、江戸川乱歩は新人作家を引き立てて探偵小説界の発展を導き、海外作品の紹介にも尽力、さらに「少年探偵団」シリーズによって探偵小説ファンの裾野を大きくひろげます。一方、横溝正史は本格探偵小説執筆に取り組み、「本陣殺人事件」、「獄門島」、「八つ墓村」など、名探偵・金田一耕助が活躍する数多くの傑作本格探偵小説を生み出しました。横溝の着想を助けたJ・D・カーの作品をめぐる言葉などから、横溝の探偵小説創作の志をたどります。
また、乱歩が愛してやまなかった村山槐多の水彩画、「二少年図」も、当館で久しぶりの展示です(12月8日まで/予定)。通常の探偵作家コーナーでは竹中英太郎「鬼火」挿絵原画をご覧いただけます(期間中展示替有)。ミステリファンの方も美術好きの方も、この機会をお見逃しなく!