展覧会は天正15年(1587)の豊臣秀吉の九州征圧と、佐々成政の検地に反抗した肥後国衆一揆から始まります。一揆の鎮圧で、肥後の在地勢力は壊滅的状態となりました。この時、27歳の加藤清正が肥後半国を与えられて隈本城に入城します。清正は関ヶ原合戦ののち肥後一国領主となり、熊本城主として激動の時代を全力で生き抜きます。しかし二代目忠広は寛永9年(1632)山形に配流となり、替わって細川忠利が熊本城に入城します。この三代の人と時代を振り返り、現在に残された様々な文化財や美術品で、豪壮絢爛たる在りし日の熊本城を想い起こして頂くものです。
展覧会の縦糸では、清正・忠広・忠利関係の文書や絵画により、朝鮮出兵や、忠広追放の謎など、歴史の真相に迫ります。横糸を紡ぐものは、三代が使った刀や槍などの武具、甲冑、肖像画、朝鮮の役の蔚山籠城を描いた〈朝鮮軍陣図屏風〉、和歌を嗜み茶の湯で遊んだ道具類、豪華な大名調度の数々です。
<展示構成>
第一部:築城前夜
第二部:加藤清正の時代
第三部:徳川幕府と加藤忠広
第四部:細川忠利の熊本入城