天文18年(1549)8月に日本に伝わったキリスト教は、天下を統一した織田信長の下で興隆期を迎えました。しかし、豊臣秀吉、徳川家康の禁教政策によってその信仰は困難を極め、島原の乱を機に、さらに信者への迫害が強化され、踏絵などによる摘発もさかんに行なわれました。一定の信仰が認められたのは、明治6年(1873)新政府が欧米の圧力でキリシタン禁制の高札を撤廃したときです。
今回は、日本におけるキリスト教の布教とその受容の歴史を、キリシタン関係遺品などによって紹介します。シドッチ将来の『聖母像』(親指のマリア)や『天正遣欧使節記』、踏絵をはじめ、長崎奉行所による没収品であるロザリオ、十字架などの遺品を展示いたします。
<主な出品作品>
聖母像(親指のマリア) イタリア 17世紀(重要文化財)
キリスト像(エッケ・ホモ)板踏絵 ヨーロッパ 17世紀(重要文化財)