シュルレアリスムは(超現実主義)は、1920年前後にフランスにフランス文学からはじまった芸術・文化運動です。それは美術や思想、社会の様々な領域へとひろがり、今日の私たちのものの見方や感じ方に強い影響を及ぼしています。
美術にとってシュルレアリスムとは何だったのでしょうか。この展覧会は、シュルレアリスムと出会うことで美術に何が起こったのか、それが私たちにどうつながっているのかを考えようとするものです。
シュルレアリスムが美術にもたらした最大のインパクトは、「イメージの力」の再発見だといえるでしょう。目の前にあるものをただ写すのではなく、心のスクリーンに映し出されるイメージを忠実に写し取る、新次元のリアリズム。シュルレアリスムの美術が呼び覚ますイメージは、私たちの眠っていた想像力を解き放ち、思いがけない意味の発見へと導いてくれます。“もの”と“もの”、人と“もの”、人と人を結びつけるイメージの力。今日のメディア社会の原動力になったともいえるイメージ・パワーの実験者たちに迫ります。
<特徴とキーワード>
シュルレアリスムによって花開いた「イメージのアート」
出品総数125点。海外10箇所、国内14箇所から出品。各地から集まった仲間とともに、横浜美術館のシュルレアリスム作品たちが新たな輝きを放ちます。
全44作家。マグリット9点、ダリ、8点、エルンスト23点、マッソン9点、ミロ6点、アルプ6点、マン・レイ10点など。
シュルレアリスムの指導者ブルトンが讃えたふたりの先人、デ・キリコ初期作品2点とクレー3点。
同時代の広告美術、第二次大戦後から現代まで、ベーコン、フォンターナ、ピストレット、森村泰昌、奈良美智へと続く「イメージのアート」の系譜をたどります。
彼らが求めたのは「真実」のイメージ。
イメージ、それはかけ離れたふたつの「現実」の出会いから生まれる。
偶然か?必然か?出会いはあなたの身近で本当におこる。