鎌倉幕府を主導した執権北条氏200年の歴史を、発祥の地である伊豆地方の発掘調査の成果や、ゆかりの仏像、北条氏が最後に発給した文書などを含む各地所蔵の古文書、金沢文庫に保管される肖像画の名品や古文書などを通して振り返ります。
<展覧会のみどころ>
北条氏ゆかりの運慶関連仏像や、肖像画の優品(国宝・重文)を展示
北条氏は鎌倉幕府中枢にあって活躍しましたが、その時代を代表する美術作品の優品も生み出しました。本展示では、近年注目される北条氏ゆかりの仏像である、仏師運慶の弟子実慶作の静岡・函南町桑原区所蔵の阿弥陀三尊像や、静岡・願成就院所蔵の運慶制作仏像の像内納入品(五輪塔形銘札)、鎌倉時代肖像画の名品である金沢北条氏歴代肖像画(四将像)などを展示します。
将軍源実朝ゆかりの古文書を発見!
永らく発給者(発行元)が不明であった金沢文庫古文書「某家政所下文」について、その内容を再検討したところ、三大将軍源実朝の家政機関である政所(まんどころ)から承元三年(1209)に発給された文書と判明しました。展覧会では同文書を再検討後、初公開します。
将軍家源氏三代、執権北条氏歴代関係の古文書・古書を、はじめて一堂に展示
鎌倉時代150年に渡って、幕府を主導した北条氏の活躍を明らかにするために、将軍家源氏三代(頼朝・頼家・実朝)、その執権歴代(時政・義時・時頼・時宗・貞時・高時・貞顕・時行)や周縁の人々ゆかりの古文書・古書を、博物館で一堂に集めるはじめての展示です。
<主要展示品>
重要文化財
五輪塔形銘札 北条時政・仏師運慶銘 鎌倉時代 (願成就院所蔵)
阿弥陀三尊像 実慶作 鎌倉時代 (静岡・函南町桑原区所蔵)
般若波羅蜜多心経 源頼家奥書 鎌倉時代 (三嶋大社所蔵)
北条義時書下 三嶋大社矢田部家文書のうち 鎌倉時代 (三嶋大社宝物館保管)
六波羅御教書 久我家文書のうち 鎌倉時代 (國學院大學図書館所蔵)
国宝
北条実時像 鎌倉時代 (称名寺所蔵・神奈川県立金沢文庫保管)
金沢貞顕像 鎌倉時代 (称名寺所蔵・神奈川県立金沢文庫保管)
他、国宝・重要文化財を中心に約60点を展示。