団塊世代の集団退職がいよいよ始まった2007年。定年後は仕事のことを忘れ、のんびりと過ごそうと計画している方も多いかもしれません。平均寿命が約80歳とされる現在、第二の人生はまだまだ始まったばかりと言えるでしょう。
そんな現在と比べて平均寿命も短かった江戸時代。50歳や60歳で人生の区切りを考えなければならなかった中、還暦を迎えた後も、若い頃と変わらず精力的に絵を描き続ける浮世絵師、さらには、今までの自分の画風を切り捨てて、新しい表現に挑戦する浮世絵師たちがいました。
この展覧会では、「浮世絵師たちのシニア・パワー」と題しまして、葛飾北斎、歌川広重、三代歌川豊国などの著名な浮世絵師たちが、還暦後にどのような作品を産み出していったか、その晩年におけるパワフルな挑戦を紹介いたします。60歳、70歳を過ぎても筆を揮う彼らの姿に、現在の私たちも元気を与えてもらえるのではないでしょうか。