物事が進むにはある経路をとります。物理的にも精神的にも何かが何処かに行くためにとる経路は、それぞれに異なるはずです。そしてどのような経路を通ったか、どうしてその経路を選択したかということが、目的地に到着する以上に重要な場合もあります。「経路」は、言い換えれば、予め決まった道筋をたどるものではなく、道筋を進む過程そのものといえます。それは世界を確認し、認識していく過程であり、思考の過程そのものでもあります。
未知数の振幅あるこの過程を、今回「遊びの経路」とよぶことにしました。アーティストの思考の過程ともいうべき作品は、その意思を伝達するものであると同時に、観る者へと受け継がれ、別の経路へと続いていくでしょう。
2007年の春のアーティスト・イン・レジデンスでは、作品や交流プログラムを通し、このさまざまな「経路」について考えを巡らせます。