本展では、技と贅を尽くして日本の輸出産業を担った明治の工芸、機能性とシンプルな美に目覚めた20世紀の工芸を経て、現代の作り手たちが、「使いやすさ」に、さらに何を加えようとしているかを見ていきます。会場では、明治時代から今日に至る金工・漆芸の優品を、筒、円、直方体という形態別に展示します。「今と昔の盆・皿・盤 / 円形の展開」のコーナーは、納富介次郎「双鯛大盆」から、黒川雅之「百の盆」まで。「今と昔の箱 / 蓋のある直方体の展開」では、勇助塗硯箱から畠山耕治、齊藤晴之の箱まで。多彩な内容にご期待ください。収蔵品を中心に、デザインや現代芸術の領域の作品を他機関や作家から借用して補います。
さて、美しく、使いやすいという工芸の基本的な目標に加味される作品の意義や魅力とは何でしょうか。その答は、会場で、ぜひあなたが探してください。
なお、この展示は高岡市内で実施される「ものづくり・デザイン科」の学習に資する企画です。