紙芝居は日本独特の文化伝達手法で、昭和初期の経済恐慌下の失業者により始められた街頭紙芝居と、やや遅れて、教育者や児童文学者らによる教育紙芝居に発展しました。
街頭紙芝居は、昭和30年代後半にテレビに娯楽の座をゆずり、消滅寸前ですが、教育紙芝居は保育園・幼稚園・小学校などで、子どもの成長に不可欠の教材として、活用されています。
小さな舞台として、読み手と聞き手が一体と成って生み出す紙芝居の空間は、双方向のコミュニケーションの文化財として、近年世界各国で共感を得ています。
本展では、「黄金バット」の作家として一世を風靡した紙芝居作家・加太こうじが描いた「ガラスのうさぎ」(原作・高木敏子)の大型紙芝居原画と、現在紙芝居を製作している各出版社の最新の紙芝居原画を、「紙芝居の今」として紹介します。