本展は、「恋しさ」と「愛しさ」をテーマに西村の画業を紹介するものです。二つの展示室と復元アトリエを会場として、「旅」や「花」など、8つのサブテーマを設けて作品を展示しています。
西村計雄は、1909(明治42)年、共和町に生まれました。東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業後、日展や創元会展を中心に活動を始め、1951年、単身渡仏。以後、パリを拠点にヨーロッパ各地で作品を発表。2000年に逝去するまで、つねに変化するエネルギーを失うことなく、多様な表現を生み出しました。
遠く離れていても常に心の中にあった恋しいふるさとの風景、曇天のパリでいつも待ちこがれていた太陽の輝き、花々の力強い生命力を愛おしむまなざし。明るく詩情あふれる作品には、多くの人に愛された陽気で朗らかな人柄が映し出されています。
本展を通じ、人を愛し、自然を愛し、平和を愛し、描くことに情熱を燃やし続けた画家のメッセージを、感じ取っていただけたら幸いです。