江戸時代から明治時代にかけて、とりわけ体の大きな少年や巨人が化粧廻しを締めて、一人で土俵入りをさせることが行われていました。「怪童力士」「巨人力士」といわれる力士たちです。客寄せのための一種の見世物ではありましたが、その大きさに人々は畏敬の念を交えながら賞賛し、絵師たちもこぞって彼らを作品の題材としています。今回の展示では、怪童力士の「大童山文五郎」、巨人力士の「釈迦ケ嶽雲右衛門」「大空武左衛門」「生月鯨太左衛門」を中心に、102点の資料で怪童力士と巨人力士をご紹介いたします。当時の大相撲が、人々を楽しませる、まさにエンターテイメントであったことを感じていただければ幸いです。