人はなぜ、「ひとかた(人形)」をつくるのでしょうか。 人物像はその昔、土によって象られたのをはじまりに、今日にまで様々な素材や技法によって表現されてきました。 本展は、20世紀初頭から現代に至る、国内外11カ国25名の陶芸作家による「人」をテーマとした作品約70点を紹介します。現代陶芸においてもなお、「人形」の原点である土による人物表現は奥深い魅力として作家たちを惹き付けます。生み出された人のかたちは実に様々です。ダイナミックで鮮やかな色彩のアメリカ、人間の内面に迫ったヨーロッパ、叙情的な表現の日本など、それぞれの国の陶芸史や生きた時代による表現の違いが窺えます。そして「人形」に込められた作家個々の想いは、「人形」であるがゆえに、時に見る者の共感を呼びます。 作品はどれも「人形」、“まなざし”を持っています。作品と向き合い誰かと出会ったような不思議な感覚を覚えたとき、あなたと作品との新たなコミュニケーションが始まっています。