狭山市立博物館は平成3年の開館以来、多くの博物館事業を行ってきました。その一つに企画展覧会の実施があります。当館は「総合博物館」として、毎回自由な発想で展覧会を企画しており、展覧会のテーマとしては、郷土さや
まを採り上げた地域性の高い展示から、絵画展や楽器展などのように広く文化をご紹介するものまで、従来の博物館の展示とは、少し視点を変えて情報の発信、提供をしています。
このたびの春期企画展で採り上げますテーマは、「横溝正史作品を中心にした「ミステリー」です。「ミステリー」というと少年少女期から青年期にかけて多くの人が心奪われた経験があることと思います。今回の展覧会では、時を忘れて本に夢中になった「あの頃」に帰って頂きます。もちろん、今回の展覧会で初めて横溝ミステリーに出会った方にも、ミステリーファンになって頂けるような展示を目指します。今回の展示は、ミステリーを「理知的な楽しみ」としてとらえ、博物館のアミューズメント性を強調した展示としています。
この展覧会では、数多くメディア化されてきた横溝作品を、改めて原作に戻って見直します。横溝氏の愛用品や直筆原稿だけではなく、作品に出てくるトリックや小道具などの再現もご覧いただき、原作を手に取ってみたくなる展示を目指してみました。