1985年2月、38歳で惜しまれつつ夭折した画家、有元利夫。その作品は美術の枠を超えた多くの人に親しまれています。
有元は東京芸術大学のデザイン科に進み、在学中にヨーロッパへ旅行したことをきっかけに、フレスコ画やヨーロッパの古典美術に惹かれ、古典の影響を受けた作品を制作します。31歳の時、第21回安井賞展で「花降る日」が安井賞特別賞を受賞し、一躍画壇の寵児となります。次々と珠玉の作品を生み出しながら、突然の病魔が有元の制作活動に終止符を打ちました。しかし、その短い間に制作された作品は、今も人々の心に感銘を与え続けています。
本展では、有元容子夫人の監修のもと、三番町小川美術館のご協力を得て、芸大在学中の作品から逝去の年までを網羅した絵画の他、素描、版画、立体作品をあわせた129点を一堂に紹介いたします。