オノレ・ドーミエ(1808~1879)は、若い自分から風刺的な作品を新聞に発表したことで知られています。彼は風刺新聞「カリカチュール」や「シャリヴァリ」などに作品を発表、政治や社会から身近な生活に至るまで、批判的なまなざしを持って、おもしろおかしく、かつ鋭く切り取りました。
市民階級や政治家に対して厳しい視線を注ぐと同時に、バルビゾン派の画家ミレーと親しく、子供と共にいる母親など、ミレーの影響を感じさせるような油彩や神話を題材にした作品を描いたりしており、多彩な顔を持っていました。
今回の展覧会では、「お気に召すまま」、「政治家」など「シャリヴァリ」に掲載されたシリーズのうち、約20点の石版画によって、ドーミエの持つ風刺精神を垣間見ます。