戦後美術のスーパースタ-として、没後ますます岡本太郎の評価は高まっています。当館での岡本太郎の展覧会としては2度目にあたる本展は、彼と縄文土器の出会いをテーマとしてとりあげます。
1951年に東京国立博物館で縄文土器に出会った岡本太郎は、翌年「四次元との対話 縄文土器論」を発表します。パリ留学時代に一時、文化人類学を学んだ経験のある岡本太郎は、画家、彫刻家といった狭い枠にとどまらず、多方面で活躍しました。彼はこの「縄文土器論」あたりから、その「芸術家」としての直観力を武器に、日本の伝統を根本から再検討し、また、日本の根源性を求めて沖縄や東北などをフィールドワークし、多数の優れた著作をものしました。それは、岡本太郎の一つの方向性であるとともに、絵画や彫刻と結びついた、まさに彼の芸術であったといえます。この両者の出会いをテーマとする本展は、その意味で岡本太郎芸術の根源をとらえるまたとない機会となるのではないでしょうか。
本展は、縄文土器・土偶の呪術的美とその「美」の発見者である岡本太郎の芸術、そして両者の関係を、土器と岡本作品(絵画、彫刻、写真)および資料によって、多角的に紹介します。また会期中、講演会なども開催します。