世界に名だたる博物館の1つである北京故宮博物院は、明・清両朝の宮城であった旧「紫禁城」内廷がそのまま博物館として活用されており、ユネスコの世界文化遺産にも登録されています。
今回、150万件にのぼる同院所蔵品の中から、日本はもちろん世界でも初めて西太后とラストエンペラーとして有名な宣統帝溥儀の二人に焦点を当て、両者にゆかりの絵画や衣装、装身具、文房具、飲食器、家具などを中心に140件を精選し、紹介します。
なかでも西太后が約半世紀にわたり摂政政治を行った「垂簾聴政の間」の復元・展示は圧巻です。中国の至宝である一級文物を含む宮廷生活にまつわる様々な美術品と資料類を通して、清朝末期の宮廷芸術と文化に触れるだけでなく、封建時代から近代へ移行する中国の激動の時代を知るまたとない機会となるでしょう。