G.ルース(1947-)はフランスの現代作家です。建築物が本来の機能を失い、消失が予定されている空間の中で制作を 行います。
ルースは、まずカメラの位置を決めます。写真を撮るという最終的な目的のために、また「レンズを通して像を結ぶ唯一の視点」 のために、準備したデッサンに基づいて、床、壁、天井、階段に絵具を塗り、幾何学的なモチーフを空間の中に構築します。そこ では、遠近感が希薄になり、三次元の空間は平面世界の様にも見えます。
ルースの作業は、建築物を歴史的な重みや意味から解放 して、ルース自身の痕跡を残すことになるのです。本展では、彼の実際の制作(パフォーマンス)も含めた展示を予定しています。出 品点数は写真作品とデッサン約65点です。