17世紀に東洋から現代にもたらされた茶。その普及とともに発展していった茶器。当時、茶と共にヨーロッパに輸入された中国や日本の磁器は大変貴重なものでした。そのため西洋では、東洋の磁器に似せた陶器が作られたり、銀製の茶道具を用いて茶が愛飲されました。やがて18世紀になると、西洋でも磁器が製作されるようになります。マイセンで創製された磁器はヨーロッパ各地に広がり、セーヴル、ウェッジウッドなど数々の工房が生まれました。そこでは、中国や日本の磁器の影響を受けた作品が作られる一方で、西洋独自の優美やデザインも展開されていきまし
た。さらに19世紀末から20世紀にかけては、アール・ヌーヴォーやアール・デコなど様々な芸術様式の影響を受けた茶器も製作されました。本展では、17世紀から現代にいたる様々な茶器179点を紹介するほか、喫茶に関する版画・水彩17点もあわせて展示します。また18世紀のお茶会を当時のドレスやテーブル・セッティングで再現し、紅茶を取り巻く華麗なヨーロッパ陶磁の流れを展観します。