藤田嗣治(ふじたつぐはる/レオナール・フジタ 1886~1968)はエコール・ド・パリで活躍した日本を代表する画家です。土門拳は藤田がフランスから帰国した後の昭和17年から再び出国する昭和24年まで、約7年間にわたり藤田を撮影しています。今年は生誕120年にあたることからも各地で展覧会が開催され注目されている藤田ですが、日本ではあまり藤田の資料は残っておらず、当時土門拳が撮った写真は、その生活や趣味、芸術に密着した貴重な記録です。このたび当館では、麹町六番町のアトリエ、疎開先の神奈川県藤野、終戦後練馬区小竹町、そして日本を離れる空港での写真など、30点を展示します。
強烈な個性で、波乱に満ちた生涯を送り、多くの人々を魅了してきた藤田嗣治。土門の写真からは、あまり知られることのなかった「人間・藤田嗣治」の魅力が浮かび上がってきます。