釈奠(せきてん)は、もともと古代中国の学校において、食物や酒をささげて孔子やその弟子たちを祭った行事です。日本では文武天皇の時代に大学寮ではじまり、中世を経て、近世には湯島聖堂、藩校などで季節ごとに行われました。今回の展示は、国宝「延喜式」(えんぎしき)をはじめ、絵巻物、詩懐紙、肖像画、絵図、写真、絵葉書など、平安時代から明治時代までの釈奠の沿革を伝える資料をご紹介いたします。なお本館14室では特集陳列「釈奠器-湯島聖堂伝来-」として、安永元年(1772)に聖堂が火事で全焼した後、諸大名家より奉納された祭器などを展示いたします。あわせてご覧ください。