現存最古の物語絵巻が、900年の時を越え、鮮やかによみがえる-
国宝「源氏物語絵巻」は、紫式部が『源氏物語』を書いた約1世紀後、12世紀前半に製作されたと考えられています。現存する絵巻の場面は19図で、徳川美術館と五島美術館に所蔵されています。
900年の時を経て、色あせ、絵具が剥がれ落ちたこの19図が、製作当時どのような姿であったのかを明らかにすべく、平成11年より「源氏物語絵巻復元プロジェクト」がはじまりました。復元模写は出来る限り当時と同じ素材・同じ技法で、最新の科学データと現代の絵師の技を駆使して製作され、平成17年秋に19図すべてが色鮮やかによみがえりました。
この復元模写の様子はNHKの特集番組「よみがえる源氏物語絵巻」シリーズとして放送され、大きな反響を呼びました。
本展では、19図の復元模写を一堂に展示するほか、江戸時代から現代までの模写作品、プロジェクト過程の様々な資料をあわせてご紹介いたします。
平安時代の王朝人が見た「源氏物語絵巻」の世界を存分にお楽しみください。