シャガールには「花束」や「恋人たち」など、多くの偏愛したモティーフが知られていますが、なかでも「動物たち」は作品の大部分に登場する重要な対象でした。
シャガールは現在のベラルーシ共和国にある寒村ヴィテブスクの貧しいユダヤ人の家庭に生まれ、帝政ロシアの首都ペテルブルグ、そして花のパリへと出て絵画の修行に励みますが、画家として大成した後も常に故郷ヴィテブスクに心を馳せ、その思いを作品に盛り込んでいました。シャガールとヴィテブスクを結ぶものが、故郷でともに暮らしていた家畜たちや、庭に集い来る小鳥たちだったのです。
今回は、彼が制作した膨大な数の版画作品の中から、とりわけ興味深い描き方で表現された動物たちを精選し、ご紹介します。シャガールが愛してやまなかった動物たちを、絵の中から探してみてください。
前期:7月15日(土)~8月31日(木)
後期:9月2日(土)~10月25日(水)