徳川美術館(名古屋市)と五島美術館(東京都)が所蔵する国宝「源氏物語絵巻」は、平安時代後期(12世紀前半)に製作されたと考えられる、現在最古の物語絵巻です。しかし、この絵巻は剥落や褪色が生じているため、平成11年から所蔵館を中心に、先端の科学技術などを駆使して、当初の姿に復元摸写する事業が進められてきました。その結果、平成17年10月に国宝「源氏物語絵巻」全19図の色鮮やかで美々しい復元摸写が完成しました。
本展では、約900年の時を経て新たに命を吹き込まれた「平成復元絵巻」を中心に過去の摸写作品、平安の装束や建物の模型、映像などを展示します。