私たちのくらしや日本の風景は、1950年代から1960年代にかけての高度経済成長によって大きく変わりました。横浜でも開発が進み、海辺はコンビナートに、みどりの山は団地やマンションに生まれ変わりました。テレビや電気洗濯機といった電化製品の登場でくらしは「便利」になり、自家用車の普及はレジャーや娯楽の幅を広げてくれました。
けれども私たちはその「便利」さと引き換えに失ってしまったこともあるようです。大人の方が子どもだった頃、祖父母や父母から受け継いだくらしは便利ではなく、娯楽もそうありません。労働環境や医療体制など懐かしいとはいえないこともありました。けれども、くらしが人の営みであることを今より実感できたように思います。
今回の企画展では、1960年代を中心に使われた懐かしい道具やくらしの様子を紹介します。子どもたちも大人の方も、今とどう違うのかを見つけて下さい。そしてかつてのくらしに学び、今現在のくらしに活かせることを探して下さい。これから私たちがどう生活し、どのようなくらしを子どもたちへ伝えていくのか、展示を通じて考えていただければと思います。