統一的な国家体制が進行しつつあった、日本の3世紀後半から7世紀は、巨大な墳墓‐古墳‐の築造が行われた時代でした。古墳は墓であるとともに、政治的なシンボルとしての構造物でもありました。
墳墓としての古墳、その時代としての古墳時代は、近年全国的に発掘調査や研究が進んだことによって、これまでとは違った時代像が生まれようとしています。川崎及びその周辺についても、古墳の発生・展開・埴輪の生産と流通などに、新たな発見と考えが生まれています。
本展覧会は、こうした近年の研究成果を織り交ぜながら、古墳の出現とその展開について、全国的な視点から川崎を中心とした南関東の様相を展覧するものです。
また、この企画展は横浜市歴史博物館「弥生の人びとの眠る場所」と府中市郷土の森博物館「あすか時代の古墳」と同時期に開催するもので、弥生時代から飛鳥時代の墓の様相を多面的・大規模に展覧することができるものとなります。