民藝運動の創始者・柳宗悦によって見出された天才棟方志功
1936(昭和11)年、展覧会場で出会った棟方志功と柳宗悦。当時無名の一版画家にすぎなかった棟方の運命は、柳との出会いによって大きく変わっていきます。ふたりの出会いのきっかけとなった棟方の傑作≪大和し美し≫は、その年開館した日本民藝館によって買い上げられ、柳をはじめ、河井寛次郎、浜田庄司ら民藝の人々と交流を深めた棟方は、その後多くの傑作を創作し、それらは現在日本民藝館に収蔵されています。本展ではそのなかから板画(版画)、倭画(肉筆)40件約150点を一堂に展覧いたします。
柳宗悦の美意識によって表装された棟方志功の傑作を展覧
日本民藝館が所蔵する棟方作品の大半は、柳宗悦のアイデアで掛軸、巻子、屏風として表装されました。類稀な美意識を持つ柳は、それらを色鮮やかな美しい和紙や朝鮮の紙を用いて表装し、掛軸や巻子の軸端には河井寛次郎、浜田庄司ら民藝の作家たちの作が使われました。版画という性質上、棟方作品は全国の美術館に所蔵されていますが、柳らによって表装された日本民藝館の所蔵品は、格別な美しさを持つ作品群といえるでしょう。