当館「服部一郎記念室」では、故服部一郎(1932-1987、元セイコーエプソン社長)の西洋絵画コレクションを順次ご紹介してまいりました。この度は、コレクションの中から、「花」と「風景」を描いた作品に注目して展示を行います。
「花」と「風景」はヨーロッパ絵画に古くから親しまれてきたモティーフです。特に19世紀半ば以降のフランスでは、都市生活者がいだく自然への憧れや、外光への敏感な感覚を示すバルビゾン派や印象派の登場により、「花」と「風景」は多く絵画化されるようになります。その流れは、20世紀以降の絵画でも変わることはなく、現代に至るまで、「花」と「風景」は、芸術家を魅了し、創作意欲をかき立てるテーマであり続けています。
この度ご紹介する作品は、プラン、マルケ、ボーシャン、ヴァン・ドンゲンなど、20世紀前半にフランスで活躍した画家の絵画を中心とし、鹿子木孟郎や藤田嗣治など日本人渡欧画家の作品も出品いたします。今も昔も変わらず慈しまれ、私たちに安らぎを与えてくれる「花」と「風景」。これらの豊かな表現をご堪能下さい。