山田脩二は、1970年代から80年代にかけて、全国津々浦々をめぐり歩き、都市と地域の様々な姿を写真に収めました。激しく変容する高度成長期の日本の姿を鋭く切り取ったその写真は、1979年に《日本村》シリーズとして集大成され、大きな反響を呼びました。1982年には、それまでの職業的な写真家(カメラマン)の生活に終止符を打ち、伝統的ないぶし瓦の生産地として知られる淡路島・津井に移住し、瓦工場の見習瓦職人となり、以後、淡路瓦師(カワラマン)として瓦を現代的センスで活かす独自の活動をすすめ、1990年頃からは、全国各地の炭焼きの現場を訪ねるなど、炭の文化に傾倒を深め、ジャンルをこえて写真、瓦、炭の世界が渾然一体となった独自の境地をかたちづくっています。
本展は、こうした一筋縄では捉えられない山田脩二のユニークな世界とそのライフスタイルの根源的な魅力を、約500点の作品・資料によって紹介いたします。
会場は、《仕事の部屋》、《写真の部屋》、《瓦のの部屋》の3つの部屋から構成されています。