山中雪人(1920~2003)と水谷愛子(1924~2005)。この二人の日本画家は,広島県出身の日本美術院所属作家として,長年にわたり優れた作品を数多く発表してきました。
山中雪人は,釈迦やキリストをテーマに尊厳と気品に満ちた宗教画を描き,水谷愛子は,確かなデッサン力と造形感覚により,個性あふれる人物画を描き続けてきました。百年以上にもなる日本美術院の長い歴史の中で,夫婦そろって同人に列した作家は,この二人が初めてでした。
呉市立美術館では,平成15(2003)年6月の山中雪人画伯逝去後の翌年1月,ご遺族から両画伯の生涯にわたる主要な作品あわせて70点(山中雪人36点,水谷愛子34点)を挙げてご寄付いただきました。
この展覧会では,「おしどり夫婦」として知られた二人の日本画家の60年以上にわたる画業を回顧,顕彰するとともに,代表作多数を含む秀作を紹介します。